神山篤史
鈴木康夫、仲瀬裕志、福島浩平
神山篤史
鈴木康夫、仲瀬裕志、福島浩平
近年、潰瘍性大腸炎(以下UC)に対する手術後に消化管(主に小腸)から大量の持続性出血を来たしたり、術後の残存小腸に炎症が継続したりすることで、治療に難渋したとする報告が散見されます。このような病態に対する単施設での経験症例数は少なく、症例報告においてのみ、その存在を知るに過ぎないのが現状であると言えます。本アンケートの目的は、単施設では経験数の少ないUC術後の小腸炎・小腸出血を集積し、本邦における術後小腸病変の現状を知り、その治療法を確立することにあります。
UC術後小腸出血
回腸に地図状の潰瘍形成を伴い、出血を認める。
UC術後小腸炎
回腸の血管透過性は消失し、表面に膿苔の付着を認める。
難治性炎症性腸障害に関する研究班に参加する各施設に対して、アンケートを送付して回答していただく後向き研究
2001年1月から2014年8月まで
発生頻度、患者背景、発症時症状、診断方法、治療方法、予後 について検討する
大腸肛門病センター 高野会 くるめ病院、愛知医科大学病院、旭川医科大学、浦添総合病院、横浜市立大学附属市民総合医療センター、横浜市立市民病院、岡山大学病院、関西医科大学附属枚方病院、関西医科大学附属滝井病院、岩手医科大学、宮崎大学 第一内科、第一外科、京都大学医学部付属病院、京都府立医科大学、金沢大学 消化器内科・胃腸外科、慶應義塾大学医学部消化器内科、広島大学病院消化器外科、弘前大学医学部附属病院、札幌厚生病院、三重大学 消化管・小児外科学、四日市羽津医療センター、東邦大学医療センター佐倉病院、東京慈恵会医科大学 消化器・肝臓内科、滋賀医科大学 消化器内科、東京女子医科大学病院第二外科、新潟大学 消化器外科、大阪市立大学、大阪大学消化器外科、大阪労災病院外科、島根大学内科学講座第二、東京医科歯科大学、東京大学 大腸・肛門外科、東北大学 胃腸外科、東北労災病院、奈良県立医科大学 消化器・総合外科、浜松南病院、浜松医科大学第一内科、福岡大学筑紫病院、兵庫医科大学 炎症性腸疾患講座 外科、防衛医科大学校、琉球大学医学部附属病院、国立病院機構 弘前病院
出血 | 25例(59%) |
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出血+stoma排液過剰 | 6例(14%) |
出血+穿孔 | 2例(5%) |
stoma排液過剰 | 4例(10%) |
食思不振、吐き気など | 5例(12%) |
治癒または軽快 | 33例(78%) |
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現在加療中 | 4例(10%) |
死亡 | 5例(12%) |