厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」

研究代表者より

久松 理一

令和5-7年度 難治性疾患政策研究事業『難治性炎症性腸管障害に関する調査研究』 が採択されました。
令和2-4年度の3年間に引き続いての3年間になります。令和2-4年度はまさにCOVID-19の対応に追われた3年間でしたが、皆様の素晴らしいチームワークで混乱なく乗り越えたと考えています。さらにそのような未曾有の状況の中で、多くの研究成果を出すことができました。特にCOVID-19に関してはタスクフォースが中心になり各種提言を発信し、多施設共同研究としてJ-COSMOS、J-DESIRE、J-COMBATなど日本として極めて重要なエビデンスを報告しました。また、小児科〜成人IBDのトランジションに関する各種成果が生まれたのも大きな特徴だったと思います。

さて、それに続く令和5-7年度の3年間はwith コロナ、post コロナ時代を迎え研究班の活動も本来の立ち位置に戻ると思われます。すなわち、疫学、診療ガイドラインや指針の作成、レジストリ研究、トランジションに関する諸問題の解決、患者QOL向上へ向けての活動、国民や社会への啓発活動、AMEDや学会との連携、などです。

特にこの3年間の目玉は

  • 10年ぶりに行われる全国疫学調査研究
  • 令和2-4に準備してきた各種レジストリ研究の運用
  • 実臨床におけるトランジションに関する環境改善
  • 患者QOL向上へ向けた患者参加型の取り組み

になると思います。またAMEDとのより積極的な連携によって新たなエビデンス構築への協力も強化していく必要があります。また、将来の研究班を担う若い人材の育成も大きな使命です。ぜひ各種プロジェクトに若手の登用をお願い申し上げます。

3年間という限られた期間の中で効率的に成果を上げるためには、ポイントを絞ること、そして何よりチームワークが鍵になります。
内科・外科・小児科・疫学統計による本研究班のチームワークはどこにも負けていないということは令和2-4年度の実績で証明されました。今度の3年間ではそこに看護師、栄養士、そして患者さんを加えてさらにスケールアップしたオールJAPAN体制が実現するのではないかとワクワクしています。

研究代表者 久松 理一