厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」

レジストリ研究について

難病プラットフォームを用いたレジストリ

新規診断炎症性腸疾患患者を対象とした全国規模レジストリ構築

このレジストリは、新規に診断された潰瘍性大腸炎もしくはクローン病の患者を登録し、その臨床像、治療内容、臨床経過などを明らかにすることを目的としています。2023年より3年間で全国約80施設から潰瘍性大腸炎約1000名、クローン病約500名の患者を登録し、5年間フォローする予定です。

対象
新規に診断された潰瘍性大腸炎もしくはクローン病の患者

方法・参加方法
難病プラットフォームを利用します。参加ご希望の御施設は下記にご連絡をいただきたく存じます。

連絡先
研究責任者
東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科
松岡 克善 E-mail: katsuyoshi-matsuoka@med.toho-u.ac.jp

研究班事務局
厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業
「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」E-mail : ibd-gast@ks.kyorin-u.ac.jp

高齢者炎症性腸疾患患者レジストリ構築

本レジストリでは、世界有数の超高齢化社会となった本邦における高齢者IBD患者の実態を調査すると同時に、患者の予後向上に資することを目的としています。

対象
75歳以上の高齢者IBD患者を対象とします。

方法・参加方法
難病プラットフォームを利用し高齢者IBD患者特有の因子を含めて登録・収集します。
登録後前向きに1年ごとの入院、手術、死亡などの重要アウトカムを追跡します。

参加ご希望の御施設は下記にご連絡をお願いします。

連絡先
研究責任者
北里大学北里研究所病院炎症性腸疾患先進治療センター
小林拓 E-mail : kobataku@insti.kitasato-u.ac.jp

研究班事務局
厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業
「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」E-mail : ibd-gast@ks.kyorin-u.ac.jp

IBD患者における妊娠・出生児のレジストリ構築

このレジストリーは本邦IBD患者における妊娠と出生児に関するレジストリを構築し,多数のIBD患者妊娠の妊娠中の治療実態と分娩転帰データを蓄積する目的で作られております。特に、IBD加療に使われる薬剤の妊娠中の暴露が妊娠転帰に与える影響を明らかにし、妊娠中であっても適切な治療を継続し、最善の治療法を提案するための礎になります。薬剤の影響には人種差があり日本人のデータが必要であるからです。

対象
妊娠期間中の情報と児の1年後の情報の2回を収集します。

方法・参加方法
難病プラットフォームを利用します。患者さんへのアンケートを併用いたします。
参加ご希望の御施設は下記にご連絡をいただきたく存じます。

連絡先
研究責任者
防衛医科大学校 内科学講座(消化器)
穂苅量太 E-mail : ryota@ndmc.ac.jp

厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業
「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」E-mail : ibd-gast@ks.kyorin-u.ac.jp

クロンカイトカナダ症候群のレジストリ構築と病態解明の研究

このレジストリーは希少疾患であるクロインカイトカナダ症候群の本邦における治療法・臨床像、治療経過データを蓄積する目的で作られております。ステロイドが使われますが、投与量、期間、減量法、維持量など不明な点が多く、標準的な治療法を提案することが目的です。また病態解明の研究のための試料収集についても同時に行っています。

対象
寛解導入期のデータを収集します。後ろ向き(5年前まで)でも前向きでも参加可能です。

方法・参加方法
難病プラットフォームを利用します。前向きの場合、病態解明の研究にも参加が可能です。
参加ご希望の御施設は下記にご連絡をいただきたく存じます。

連絡先
研究責任者
防衛医科大学校 内科学講座(消化器)
穂苅量太 E-mail : ryota@ndmc.ac.jp

研究班事務局
厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業
「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」E-mail : ibd-gast@ks.kyorin-u.ac.jp

炎症性腸疾患に対する分子標的薬を対象としたレジストリ

このレジストリは、分子標的薬を初めて投与された潰瘍性大腸炎もしくはクローン病の患者を登録し、first-lineとして用いられた分子標的薬についての1) 実臨床下での各薬剤の有用性・安全性を評価すること、および2) 各薬剤の有用性に寄与する因子を明らかにすることを目的としています。本研究の結果は、分子標的薬の適切な選択のためのエビデンスを提供することができると考えています。

対象
潰瘍性大腸炎は2018年6月以降に分子標的薬を外来で投与を開始された患者、クローン病は2017年6月以降に分子標的薬の投与を開始された患者を対象とします。いずれも過去に分子標的薬の投与を受けたことがある患者は除外します。

方法・参加方法
対象患者を登録し、2年間経過を観察します。参加ご希望の御施設は下記にご連絡をいただきたく存じます。

連絡先
研究責任者
東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科
松岡 克善 E-mail: katsuyoshi-matsuoka@med.toho-u.ac.jp

研究班事務局
厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業
「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」E-mail : ibd-gast@ks.kyorin-u.ac.jp

炎症性腸疾患外科手術例のレジストリ

潰瘍性大腸炎の手術症例、クローン病の腸管病変に対して初回手術を行った症例の集積を行っています。現在のところ全国14施設が本研究に参加中です。両疾患の術前内科治療、手術適応や術後の合併症だけでなく、UCでは長期経過や回腸嚢炎発症率を、CDでは再手術率を前向きに検討できるようにしています。
参加方法、連絡先:本レジストリの取りまとめは、兵庫医科大学炎症性腸疾患外科で行っており、連絡先はikeuci2s@hyo-med.ac.jp (池内)までお願いします。

潰瘍性大腸炎関連腫瘍性病変に対する内視鏡的切除術の有効性に関する登録研究

潰瘍性大腸炎関連腫瘍に対する外科的切除および内視鏡治療例を全14施設から336例のデータを集積しました。内視鏡治療238病変における一括切除率は93.2%、穿孔率は2.6%であり、内視鏡治療後146例で経過観察の内視鏡が施行され、局所再発率は2.7%、異所性再発率は6.1%でありました。潰瘍性大腸炎関連腫瘍に対する内視鏡治療は十分な局所治療効果を有するものの、同時ないし異時性多発病変の管理が課題と考えられました。以上の結果をGastrointestinal Endoscopy誌に投稿し、2023年5月にアクセプトされました

研究代表者 岩手医科大学内科学講座消化器内科分野 松本主之